永年作物地とは、特定の地域で長期間（何年もの間）同じ作物を栽培する農地のことです。これは、地域の気候や土壌条件が特定の作物に適している場合によく見られます。世界各国では、永年作物地の割合は異なります。農業が盛んな国では、永年作物地が広く利用され、米や小麦などの主要な穀物作物が栽培されることが一般的です。一方、都市化や多様な農産物の需要が高まる中で、一部の国では多様な作物をローテーションしながら栽培する持続的な農業手法への転換が進んでいます。
データ総合
グラフ
プレビューでG7を選択すると各国のデータが1961年から2020年まで全データを散布図で表示できます。G7の中で現在、永年作物地が最大となっているのはイタリアの8.21%です。最も古い1961年では9.34%となっていました。逆に、最小となっているのはカナダの0.0187%です。最も古い1961年では0.00949%となっていました。一方、G7で全体の平均を計算すると、1961年では2.25%でしたが、2020年では1.7%となっています。（数値はすべて有効数字3桁）
同様に、G20を選択すると各国のデータが1961年から2020年まで全データを散布図で表しています。G20で現在2020年の永年作物地は最大となるのはインドネシアの13.4%です。インドネシアは1961年のデータは0でした。最小となるのはカナダの0.0187%です。カナダは1961年のデータは0でした。同様に、G20全体で1961年の平均は1.54%であり、現在は2.19%となっています。
次に、世界各国を選択すると各国のデータを各年ごとに棒グラフで表示できます。見やすくするため、それぞれの年で値が高い順に7ヵ国の国だけを表示しており、グラフ化している期間も限定しています。記録がある国だけで平均値などを計算すると、例えば2020年はデータの数は175となります。そうして、各国の永年作物地を平均すると1961年は2.67%です。現在は一国当りの平均が3.5%となっています。同様に中央値を計算すると1961年は0.781%、現在は1.41%になっています。
最後に、地域を選択するとそれぞれ各年のデータを棒グラフで表しています。上と同様、見やすくするため表示数を制限しています。地域で現在永年作物地が最大であるのは太平洋諸島の小国の5.9%です。1961年では4.35%となっていました。現在、次に大きいデータは南アジアの3.54%となっています。そこでの古いデータとして1961年では1.39%でした。
これまでの傾向
20世紀末から21世紀初頭にかけて、世界中で農地は急速に拡大しました。これは人口増加や食糧需要の増大に応じたもので、緑の革命により収穫量が向上しました。 しかし、農地の拡大は生態系の破壊、生物多様性の喪失、水資源の過剰利用などの環境問題を引き起こしました。また、持続可能な農業実践が不足し、土壌の劣化や水質汚染が進行しました。 国際的な問題点として、農地の過剰利用や森林伐採による森林の減少があり、これが気候変動への寄与となります。さらに、土地の不均衡な分配が貧富の格差を拡大し、飢餓や社会的不安定につながることもあります。 持続可能な農業実践と効率的な土地利用、環境保護が不可欠で、国際的な協力と政策が必要です。
これからの予想
永年作物地の将来展望では、以下のポイントが考えられます。首先、食糧需要の増大に対応するために、一部の国では農地の拡大が続くでしょう。特にアフリカや一部のアジア諸国では、農地の増加が期待されます。 一方で、土地の持続可能な管理と環境保護への取り組みがますます重要になります。農業の持続可能性、水資源の効果的な利用、土壌保護が強調され、農業実践の改善が必要です。 また、気候変動への適応策として、農業の多様化や耐候性の品種の導入が増加するでしょう。これにより、極端な気象条件に対する農業の脆弱性が低減されます。 国際協力と持続可能な農業政策が、食糧安全保障と環境保護のバランスを取る鍵となります。
データ参照元
世界銀行から面積のデータをCSV, XML, EXCEL形式から選択してダウンロードすることがでます[1]。本記事はこのデータを使ってグラフを描画しています。ライセンスはCC BY 4.0で明記されています。世界銀行のデータは下記のように国際連合食糧農業機関を引用しています。
Food and Agriculture Organization, electronic files and web site.[1]
基となるデータは国際連合食糧農業(FAO)が年次アンケートを通じて収集したものです。 FAO は各国で共通となる標準的な定義と報告方法を強制しようとしていますが、長期にわたって一貫性のある報告を義務付けることは不可能です。そのため、単なるアンケートによって国家の情報源からデータを収集しています。基準を合わせるため、別の二次データソースからの情報によって補正することが必要となります。別の情報源には、各国省庁のウェブサイトからの公式な国のデータ、出版物、さまざまな国際機関によって報告された関連する国のデータが含まれます。
統計局
各国の統計局には面積の公式値が公表されている場合がほとんどです。例として、G7の統計局の労働人口に関するデータのアクセス先を下記に列挙します。
引用
[1] The World Bank – Permanent cropland (% of land area)
ライセンス
CC BY 4.0
まとめ(最新データ)
永年作物地(2020)
ツバル:60%, サントメ・プリンシペ:40.7%, キリバス:39.6%, マーシャル諸島:36.2%, コモロ:26.9%, ミクロネシア:24.3%, マレーシア:22.8%, ドミニカ国:22.7%, ナウル:20%, フィリピン:18.8%, ヨルダン西岸地区とガザ地区:16.3%, スリランカ:16.2%, ベトナム:15.8%, チュニジア:15.4%, トンガ:15.3%, コートジボワール:14.2%, ブルンジ:13.7%, インドネシア:13.4%, レバノン:13.2%, グアム:13%, ガーナ:11.9%, グレナダ:11.8%, サモア:11.5%, セントルシア:11.4%, グアテマラ:11.1%, ウガンダ:11%, タイ:10.6%, バヌアツ:10.3%, ハイチ:10.2%, ルワンダ:10.2%, スペイン:10.1%, バングラデシュ:10%, ポルトガル:9.47%, ギニアビサウ:8.9%, ジャマイカ:8.78%, ギリシャ:8.45%, イタリア:8.21%, エルサルバドル:7.73%, セントビンセント・グレナディーン:7.7%, ドミニカ共和国:7.35%, フランス領ポリネシア:7.21%, ナイジェリア:7.14%, モルドバ:6.91%, 英領バージン諸島:6.67%, キューバ:6.3%, コスタリカ:6.21%, 太平洋諸島の小国:5.9%, シリア:5.84%, エクアドル:5.82%, 東ティモール:5.38%, ベナン:5.33%, サンマリノ:5.25%, ホンジュラス:5.15%, モルディブ:5%, イスラエル:4.69%, トルコ:4.63%, インド:4.48%, パラオ:4.35%, トリニダード・トバゴ:4.29%, マルタ:4.1%, ユーロ圏:4.07%, モロッコ:3.89%, バーレーン:3.83%, アメリカ領サモア:3.75%, 南アジア:3.54%, コロンビア:3.48%, 低中所得国(LMICs):3.44%, フィジー:3.39%, アゼルバイジャン:3.3%, カメルーン:3.28%, アルバニア:3.22%, キプロス:3.19%, ソロモン諸島:3.18%, トーゴ:3.13%, セーシェル:3.05%, EU:3.04%, ギニア:2.85%, 東アジアと太平洋地域:2.83%, スロベニア:2.63%, ニカラグア:2.38%, セルビア:2.37%, カンボジア:2.34%, バルバドス:2.33%, ミャンマー:2.32%, シエラレオネ:2.29%, タンザニア:2.28%, アンティグアバーブーダ:2.28%, 韓国:2.19%, 北朝鮮:2.16%, マラウイ:2.13%, アルメニア:2.11%, ケイマン諸島:2.09%, リベリア:2.08%, ボスニア・ヘルツェゴビナ:2.08%, エチオピア:2.03%, アフリカ中西部:2.02%, モーリシャス:1.98%, フランス:1.86%, 中所得国(MICs):1.86%, ジョージア:1.85%, ルーマニア:1.81%, ハンガリー:1.74%, 中国:1.72%, プエルトリコ:1.7%, 低・中所得国(L&MICs):1.68%, ペルー:1.64%, 北マケドニア:1.63%, 赤道ギニア:1.61%, パプアニューギニア:1.55%, ネパール:1.48%, ウクライナ:1.48%, タジキスタン:1.46%, メキシコ:1.44%, クロアチア:1.42%, ベリーズ:1.41%, ブルガリア:1.41%, パナマ:1.35%, 世界:1.35%, サハラ以南のアフリカ:1.27%, ラテンアメリカとカリブ海:1.24%, 中央ヨーロッパおよびバルト諸国:1.2%, イラン:1.17%, ポーランド:1.15%, ブルネイ:1.14%, 高中所得国(UMICs):1.12%, オランダ:1.11%, マダガスカル:1.04%, パキスタン:1.03%, 紛争地域:1.03%, カーボベルデ:0.993%, 香港:0.953%, ウズベキスタン:0.943%, ケニア:0.932%, ブラジル:0.928%, 中東および北アフリカ:0.915%, ヨルダン:0.908%, 開発途上国(LDC):0.893%, エスワティニ:0.873%, コンゴ民主共和国:0.836%, オーストリア:0.811%, アフリカ南東部:0.805%, ベネズエラ:0.794%, 低所得国(LICs):0.785%, ベルギー:0.78%, ヨーロッパと中央アジア:0.763%, OECD加盟国:0.747%, 日本:0.736%, チリ:0.67%, デンマーク:0.667%, ガボン:0.66%, アラブ世界:0.654%, チェコ:0.65%, スイス:0.638%, エジプト:0.609%, ルクセンブルグ:0.605%, イラク:0.576%, アラブ首長国連邦:0.572%, カリブ海の小国:0.571%, Small states:0.568%, ドイツ:0.567%, リトアニア:0.566%, ラオス:0.564%, イエメン:0.557%, ブルキナファソ:0.523%, ガンビア:0.495%, ベラルーシ:0.493%, 高所得国(HICs):0.493%, アルジェリア:0.425%, モンテネグロ:0.413%, アフガニスタン:0.407%, セネガル:0.406%, キルギス:0.4%, バハマ:0.4%, アルゼンチン:0.391%, Other small states:0.389%, セントクリストファー・ネイビス:0.385%, モザンビーク:0.382%, スロバキア:0.375%, 南アフリカ:0.341%, クウェート:0.337%, アメリカ:0.296%, ニュージーランド:0.282%, カタール:0.262%, ジンバブエ:0.259%, アンゴラ:0.253%, コンゴ:0.229%, ボリビア:0.229%, パラグアイ:0.227%, ウルグアイ:0.223%, ニューカレドニア:0.205%, ガイアナ:0.204%, 北マリアナ諸島:0.196%, リビア:0.188%, イギリス:0.187%, 北米:0.159%, ブータン:0.158%, ラトビア:0.145%, シンガポール:0.14%, レソト:0.132%, 南スーダン:0.132%, 中央アフリカ共和国:0.129%, トルクメニスタン:0.128%, マリ:0.123%, エストニア:0.117%, スーダン:0.116%, ロシア:0.11%, オマーン:0.108%, ニジェール:0.0908%, サウジアラビア:0.077%, カザフスタン:0.0489%, ザンビア:0.0485%, オーストラリア:0.0458%, ソマリア:0.0399%, スリナム:0.0321%, チャド:0.0302%, カナダ:0.0187%, エリトリア:0.0166%, フィンランド:0.0165%, アイルランド:0.0146%, ナミビア:0.0122%, モーリタニア:0.0107%, ノルウェー:0.00869%, スウェーデン:0.00855%, ボツワナ:0.00353%, モンゴル:0.00322%
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