純移民とは、ある国から別の国へ永住または長期滞在するために移動した人々と、逆に別の国から元の国へ戻る人々との差を示す移民の指標です。つまり、純移民は移民者数から帰国者数を差し引いた値として計算されます。純移民がプラスの場合、その国には他国からの移民が多く流入していることを意味し、マイナスの場合はその逆で、その国から他国への移民が多いことを示します。純移民の値は、各国の経済状況、雇用機会、社会的要因などに影響されます。純移民は人口動態の一部として、国の成長や多様性、社会の変化に関連して重要なデータとなります。
データ総合
グラフ
プレビューでG7を選択すると各国のデータが1960年から2021年まで全データを散布図で表示できます。G7の中で現在、純移民が最大となっているのはアメリカの56.2万人です。最も古い1960年では58.4万人となっていました。逆に、最小となっているのはフランスの2.07万人です。最も古い1960年では16.1万人となっていました。一方、G7で全体の平均を計算すると、1960年では10万人でしたが、2021年では20.2万人となっています。(数値はすべて有効数字3桁)

同様に、G20を選択すると各国のデータが1960年から2021年まで全データを散布図で表しています。G20で現在2021年の純移民は最大となるのはアメリカの56.2万人です。アメリカは1960年のデータは-16.8でした。最小となるのはインドの-30.2万人です。インドは1960年のデータは769でした。同様に、G20全体で1960年の平均は3.3万人であり、現在は5.95万人となっています。

次に、世界各国を選択すると各国のデータを各年ごとに棒グラフで表示できます。見やすくするため、それぞれの年で値が高い順に7ヵ国の国だけを表示しており、グラフ化している期間も限定しています。記録がある国だけで平均値などを計算すると、例えば2021年はデータの数は177となります。そうして、各国の純移民を平均すると1960年は-181人です。現在は一国当りの平均が138人となっています。同様に中央値を計算すると1960年は-163人、現在は-1490人になっています。

最後に、地域を選択するとそれぞれ各年のデータを棒グラフで表しています。上と同様、見やすくするため表示数を制限しています。地域で現在純移民が最大であるのはヨーロッパと中央アジアの125万人です。1960年では-20.2万人となっていました。現在、次に大きいデータは北米の75.8万人となっています。そこでの古いデータとして1960年では62.8万人でした。

これまでの傾向
一部の国では純移民が増加しており、外国からの移民が多く訪れ、経済成長や労働力供給に貢献しています。しかし、問題点も存在します。一つは社会統合であり、異なる文化や言語の移民を受け入れる際に、課題となることがあります。また、移民による労働市場での競争や低賃金労働の増加が、一部の労働者に不安をもたらすことがあります。また、移民政策に関する対立や人権の問題も発生しています。国際的な協力と移民の権利保護、適切な社会統合策の採用が、純移民の増加と関連する問題の解決に向けた重要なステップです。
これからの予想
一部の国では外国からの移民が増加し、これが経済や社会にポジティブな影響を与えるでしょう。特に高齢化社会での労働力供給に移民が貢献する可能性が高いです。しかし、これに伴い文化的多様性や社会統合の課題も増え、対処が求められます。一方で、一部の国々では移民に対する反感や排斥が高まるかもしれません。気候変動や紛争による避難民の増加も予想され、国際的な移民政策と協力がますます必要です。適切な移民統合政策、教育、雇用機会の提供、人権の尊重が、移民の受け入れと社会での成功の鍵です。
データ参照元
世界銀行から面積のデータをCSV, XML, EXCEL形式から選択してダウンロードすることがでます[1]。本記事はこのデータを使ってグラフを描画しています。ライセンスはCC BY 4.0で明記されています。世界銀行のデータは下記のように国連のデータなどを引用しています。
( 1 ) United Nations Population Division. World Population Prospects. ( 2 ) Census reports and other statistical publications from national statistical offices, ( 3 ) Eurostat: Demographic Statistics, ( 4 ) United Nations Statistical Division. Population and Vital Statistics Reprot ( various years ), ( 5 ) U.S. Census Bureau: International Database, and ( 6 ) Secretariat of the Pacific Community: Statistics and Demography Programme.[1]
人口の増加は、移民の結果であろうと、死亡よりも出生が多かったとしても、天然資源や社会インフラに影響を与える可能性があります。これは国の持続可能性に圧力をかける可能性があります。人口の大幅な増加は、農業生産のための土地の利用可能性に悪影響を及ぼし、食料、エネルギー、水、社会サービス、インフラストラクチャーの需要を悪化させます。一方で、出生数が死亡数よりも少なくなり、人々が国外に移動する結果である人口規模の減少は、サービスとインフラを維持するという政府の取り組みに影響を与える可能性があります。
統計局
各国の統計局には面積の公式値が公表されている場合がほとんどです。例として、G7の統計局の労働人口に関するデータのアクセス先を下記に列挙します。
引用
[1] The World Bank – Net migration
ライセンス
CC BY 4.0
まとめ(最新データ)
純移民(2021)
OECD加盟国:244万人, 高所得国(HICs):213万人, ヨーロッパと中央アジア:125万人, EU:91.1万人, ユーロ圏:82万人, 北米:75.8万人, アメリカ:56.2万人, ロシア:32.1万人, ドイツ:31.3万人, ネパール:29.7万人, スペイン:27.6万人, シリア:21.3万人, コロンビア:21.2万人, イギリス:20.3万人, カナダ:19.6万人, オーストラリア:11.8万人, チリ:11.4万人, 高中所得国(UMICs):11.4万人, 日本:8.76万人, スウェーデン:8.01万人, ペルー:6.81万人, オランダ:5.75万人, ベルギー:5.24万人, マレーシア:4.62万人, ウガンダ:4.35万人, 韓国:4.35万人, ニュージーランド:3.83万人, エクアドル:3.59万人, アンゴラ:2.91万人, イラン:2.81万人, イタリア:2.81万人, ポルトガル:2.73万人, スイス:2.39万人, デンマーク:2.28万人, フランス:2.07万人, ブラジル:2.04万人, オーストリア:2.04万人, ハンガリー:1.99万人, シンガポール:1.94万人, イスラエル:1.69万人, アイルランド:1.54万人, フィンランド:1.5万人, ヨルダン:1.44万人, ベラルーシ:1.3万人, 南アフリカ:1.1万人, パプアニューギニア:1.07万人, ノルウェー:1.07万人, マルタ:1.05万人, 東アジアと太平洋地域:9230人, チャド:9020人, ザンビア:9020人, ルクセンブルグ:6950人, 赤道ギニア:6490人, パナマ:5480人, スロベニア:4570人, マカオ:4010人, チェコ:3630人, エストニア:3000人, トリニダード・トバゴ:2640人, アルゼンチン:2350人, コスタリカ:2090人, キプロス:2000人, ボツワナ:1820人, スロバキア:1750人, ベナン:1740人, ガボン:1520人, アンドラ:1380人, チャンネル諸島:1250人, モルディブ:1190人, タイ:1140人, アゼルバイジャン:1090人, ウクライナ:831人, ジブチ:742人, タークス・カイコス諸島:682人, アイスランド:622人, ベリーズ:577人, マン島:517人, キュラソー:502人, アルバ:501人, バハマ:485人, バミューダ:291人, ブータン:291人, ケイマン諸島:276人, セルビア:243人, リヒテンシュタイン:231人, モナコ:206人, セーシェル:146人, 英領バージン諸島:128人, ドミニカ国:57人, サンマリノ:41人, パラオ:3人, アンティグアバーブーダ:0人, フェロー諸島:0人, 香港:0人, セントルシア:0人, モンゴル:0人, 世界:0人, ツバル:-15人, バルバドス:-28人, ジブラルタル:-58人, グリーンランド:-62人, ナウル:-66人, グレナダ:-85人, セントクリストファー・ネイビス:-90人, モンテネグロ:-101人, ブルネイ:-192人, バヌアツ:-197人, グアム:-244人, キリバス:-296人, フランス領ポリネシア:-378人, セントビンセント・グレナディーン:-379人, 北マリアナ諸島:-431人, モーリシャス:-478人, 北マケドニア:-486人, スリナム:-492人, ミクロネシア:-635人, リビア:-696人, マダガスカル:-742人, サントメ・プリンシペ:-792人, ソロモン諸島:-808人, サモア:-882人, トンガ:-948人, ベトナム:-992人, トーゴ:-995人, ニューカレドニア:-1190人, カーボベルデ:-1280人, エチオピア:-1400人, ギニアビサウ:-1400人, ウルグアイ:-1490人, レソト:-1490人, モーリタニア:-1500人, シエラレオネ:-1550人, 北朝鮮:-1590人, アメリカ領サモア:-1650人, コモロ:-1780人, マラウイ:-1780人, マーシャル諸島:-1910人, ガンビア:-1960人, 東ティモール:-2000人, ジョージア:-2740人, アラブ首長国連邦:-2770人, ポーランド:-2970人, タジキスタン:-3570人, ナミビア:-4310人, ガイアナ:-4320人, ギニア:-4370人, ニジェール:-4410人, コンゴ:-4470人, トルクメニスタン:-4510人, ボリビア:-4670人, タンザニア:-4870人, エスワティニ:-4900人, ジャマイカ:-5670人, ホンジュラス:-5780人, フィジー:-6010人, ルワンダ:-6120人, ラトビア:-6820人, キューバ:-7070人, カリブ海の小国:-7310人, プエルトリコ:-7410人, パラグアイ:-8230人, ブルガリア:-8720人, バーレーン:-9150人, チュニジア:-9190人, モザンビーク:-9520人, カメルーン:-9890人, セネガル:-1.01万人, ラオス:-1.04万人, ニカラグア:-1.04万人, クロアチア:-1.05万人, アルバニア:-1.07万人, ガーナ:-1.13万人, 太平洋諸島の小国:-1.18万人, リトアニア:-1.19万人, リベリア:-1.19万人, ヨルダン西岸地区とガザ地区:-1.24万人, ルーマニア:-1.28万人, アルメニア:-1.29万人, ブルキナファソ:-1.31万人, モルドバ:-1.43万人, ブルンジ:-1.45万人, ギリシャ:-1.49万人, ドミニカ共和国:-1.5万人, エリトリア:-1.5万人, インドネシア:-1.5万人, コソボ:-1.51万人, スーダン:-1.53万人, キルギス:-1.66万人, ソマリア:-1.71万人, アルジェリア:-1.88万人, カザフスタン:-1.9万人, オマーン:-2.07万人, 中央ヨーロッパおよびバルト諸国:-2.07万人, コートジボワール:-2.1万人, マリ:-2.23万人, カンボジア:-2.43万人, ジンバブエ:-2.51万人, ボスニア・ヘルツェゴビナ:-2.59万人, エルサルバドル:-2.74万人, グアテマラ:-2.92万人, カタール:-3.09万人, 南スーダン:-3.19万人, Other small states:-3.24万人, エジプト:-3.24万人, ハイチ:-3.3万人, ミャンマー:-3.54万人, クウェート:-3.69万人, ウズベキスタン:-3.93万人, モロッコ:-4.63万人, Small states:-5.15万人, ケニア:-5.26万人, メキシコ:-5.27万人, イラク:-6.01万人, コンゴ民主共和国:-6.47万人, トルコ:-6.98万人, ナイジェリア:-7.64万人, フィリピン:-8.02万人, 中央アフリカ共和国:-8.59万人, スリランカ:-9.24万人, イエメン:-10.2万人, レバノン:-11.6万人, サウジアラビア:-15.4万人, バングラデシュ:-17.5万人, アフリカ南東部:-18万人, アフガニスタン:-18.4万人, 中国:-20.1万人, アフリカ中西部:-26.5万人, ラテンアメリカとカリブ海:-27.4万人, インド:-30.2万人, 低所得国(LICs):-34.4万人, 中東および北アフリカ:-36.8万人, サハラ以南のアフリカ:-44.5万人, アラブ世界:-45.9万人, パキスタン:-47.2万人, 開発途上国(LDC):-52.2万人, ベネズエラ:-52.6万人, 南アジア:-92.6万人, 中所得国(MICs):-126万人, 紛争地域:-127万人, 低中所得国(LMICs):-138万人, 低・中所得国(L&MICs):-161万人
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