GDPデフレーターは、国の経済活動全体の物価変動を示す指標です。国内総生産（GDP）の名目値（現行の価格で計測した値）と実質値（一定の基準年の価格で計測した値）を比較し、物価の変動を考慮して経済成長を分析します。GDPデフレーターが上昇すると、名目GDPよりも実質GDPが大きくなるため、経済が成長している兆候と言えます。逆に下落する場合、経済の縮小が示されます。
データ総合
グラフ
プレビューでG7を選択すると各国のデータが1961年から2021年まで全データを散布図で表示できます。G7の中で現在、GDPデフレーターが最大となっているのはカナダの8.16%です。最も古い1961年では2.45%となっていました。最新の伸び率を計算すると1230%程となります。一方、G7で全体の平均は1961年では3.51%でしたが、2021年では2.49%となっています。平均の伸び率を各年で計算すると、最も古い1961年の次の年は-1%であり、現在は16.5%に変化しています。（数値はすべて有効数字3桁）
同様に、G20を選択すると各国のデータが1961年から2021年まで全データを散布図で表せます。G20で現在2021年のGDPデフレーターは最大がアルゼンチンの54.2%です。アルゼンチンは1961年のデータは35.2%でした。現在の伸び率を計算すると35.2%となります。一方、G20全体で1961年の平均は8.3%でしたが、現在は9.51%となっています。各年の平均の伸び率を計算すると、1961年の翌年は133%ですが、現在は108%と計算されます。
次に、世界各国を選択すると各国のデータを各年ごとに棒グラフで表示できます。見やすくするため、それぞれの年で値が高い順に7ヵ国の国だけを表示し、また、グラフ化の期間も限定しています。記録がある国だけで平均値などを計算すると、例えば2021年はデータの数は184となっています。そうして、各国のGDPデフレーターを平均すると1961年は3.94%でした。現在は一国当りの平均が13.3%となっています。同様に中央値を計算すると1961年は3.11%、現在は4.86%になっています。また、各年の平均の伸び率を計算すると、1961年の次は37.8%でしたが、現在は88.5%になっています。
最後に、地域を選択するとそれぞれのデータの各年を棒グラフで表現できます。上と同様、見やすくするため表示数を制限しています。地域で現在GDPデフレーターが最大であるのは中東および北アフリカの13.3%です。1976年では10.9%となっていました。各年の伸び率を計算すると、1976年の次の年は-5.79%でしたが、現在は8930%に変化しています。現在、次に大きいデータはアラブ世界の12.7%となっています。そこでの古いデータとして1969年では1.12%であった。同じように各年の伸び率を計算すると、1969の次の年は212%でしたが、現在は3010%となっています。
これまでの傾向
GDPデフレーターは、国の経済全体の価格水準を測定する指標で、以下の傾向と問題点があります。 傾向: 経済成長の指標: GDPデフレーターは国内総生産（GDP）を基にしており、経済の規模や成長率を評価するのに役立つ。 価格変動の影響: インフレやデフレの影響を反映し、経済の安定性を分析する手段として利用される。 問題点: 範囲の狭さ: GDPデフレーターは商品やサービスの価格変動を反映するが、他の指標と比較して商品の範囲が限られているため、実際の物価変動を正確に反映しづらい。 ベース年の選択: デフレーターのベース年をどう選ぶかによって、結果が異なるため、比較が難しいことがある。 質の変化の無視: GDPデフレーターは質の向上を考慮しないため、同じ価格であっても品質が向上した商品の影響を適切に評価できないことがある。 これらの要因により、GDPデフレーターは経済の健全性を総合的に評価する際には他の指標と併用され、注意が必要です。
これからの予想
GDPデフレーターに関する今後の展望は、以下の点に焦点が当てられています。 インフレーション対策: 世界各国では、COVID-19パンデミックに伴う経済刺激策や供給チェーンの問題から、インフレーションの上昇が懸念されています。GDPデフレーターはインフレーションをモニタリングするための重要なツールとして使用され、中央銀行や政府による対策の判断材料となります。 グリーン経済への適用: 環境への配慮が高まる中で、GDPデフレーターの改良が必要とされています。環境負荷を考慮した新たな指標や緑の経済活動を評価する手法が開発され、経済の持続可能性を評価するのに役立てられるでしょう。 デジタル経済への対応: デジタル経済の成長に伴い、新たな価値の創造や取引形態が生まれています。GDPデフレーターはこれらの変化にどれだけ適応できるかが問題となり、デジタル経済の成長を正確に反映するための改良が期待されています。 これらの要因から、GDPデフレーターは今後も経済政策や環境への影響評価などで重要な役割を果たすでしょうが、その改善と拡張が進むことが予想されます。
データ参照元
世界銀行から各国の人口のデータをCSV, XML, EXCEL形式から選択して世界の全データが一度にダウンロードできます[1]。この記事のはこのサイトのデータを基にグラフや表を描画しています。ライセンスはCC BY 4.0で比較的自由に利用できます。データの参考元は以下のようにOECDのデータを参照しています。
World Bank national accounts data, and OECD National Accounts data files.[1]
購入価格を基にしたGDPは、すべての居住生産者によって得られた総生産額と税を合計し、製品に含まれない補助金を差し引くことで得られます。また、加工品の減価償却や天然資源の喪失や劣化は控除せずに計算します。GDPのドル数値は、単年度の公式為替レートを使用して各国の通貨から換算されています。公式の為替レートが実際の外国為替取引と隔離がある場合、別のデータを使用して計算されます。
支出面から見た国内総生産（GDP）は、家計最終消費支出、一般政府最終消費支出、総資本形成（民間および公的固定資産投資、在庫変動、有価物の純取得）、純資本形成で構成されます。商品およびサービスの輸出（輸出から輸入を差し引いたもの）。このような支出は購入者の価格に記録され、製品に対する純税が含まれます。
統計局
参考データの元として各国の統計局の公表値が重要となります。例として、G7の統計局のGDPに関するアクセス先を下記に列挙します。
引用
[1] The World Bank – Inflation, GDP deflator (annual %)
ライセンス
CC BY 4.0
まとめ(最新データ)
GDPデフレーター(2021)
キューバ:402%, スーダン:236%, レバノン:151%, ジンバブエ:114%, リビア:111%, 東ティモール:59.4%, イラン:56.4%, スリナム:56.2%, シリア:54.7%, アルゼンチン:54.2%, ベネズエラ:40.5%, アンゴラ:38.9%, イラク:37.5%, トルコ:29%, ザンビア:27.6%, コンゴ:25.7%, クウェート:25.6%, ガボン:25.4%, ウクライナ:24.9%, カタール:22.5%, ガイアナ:22.5%, エチオピア:21.8%, アゼルバイジャン:21.6%, エリトリア:19.6%, ロシア:19%, ハイチ:19%, 赤道ギニア:18.2%, 南スーダン:17.7%, トリニダード・トバゴ:17.5%, ノルウェー:17.2%, キルギス:15.8%, アルジェリア:15.6%, ブルネイ:15.5%, ベラルーシ:15.4%, コンゴ民主共和国:15%, イエメン:14.9%, モンゴル:14.5%, アラブ首長国連邦:14.3%, カザフスタン:14%, サウジアラビア:13.9%, ウズベキスタン:13.6%, 中東および北アフリカ:13.3%, アラブ世界:12.7%, オマーン:12.7%, ウルグアイ:12.7%, モーリタニア:12.6%, パプアニューギニア:11.8%, ギニア:11.5%, ブラジル:11.4%, ガーナ:11.2%, バーレーン:10.6%, ジョージア:10.3%, パキスタン:10.3%, ナイジェリア:10.2%, タジキスタン:10.1%, リベリア:9.95%, マラウイ:9.39%, ヨルダン西岸地区とガザ地区:8.96%, キリバス:8.88%, シンガポール:8.79%, インド:8.54%, ブルンジ:8.52%, スリランカ:8.5%, ペルー:8.46%, パラグアイ:8.45%, ボツワナ:8.35%, カナダ:8.16%, ガンビア:7.85%, ドミニカ共和国:7.78%, コロンビア:7.67%, 紛争地域:7.67%, ソマリア:7.67%, ジャマイカ:7.43%, チャド:7.2%, ブルガリア:7.14%, サンマリノ:6.95%, アルメニア:6.87%, チリ:6.8%, トルクメニスタン:6.78%, ネパール:6.77%, シエラレオネ:6.7%, 低所得国(LICs):6.67%, マダガスカル:6.65%, アイスランド:6.56%, ラトビア:6.55%, アフリカ中西部:6.46%, ハンガリー:6.44%, モルドバ:6.39%, リトアニア:6.34%, エルサルバドル:6.26%, 南アフリカ:6.22%, サハラ以南のアフリカ:6.22%, ギニアビサウ:6.22%, 高中所得国(UMICs):6.21%, マーシャル諸島:6.19%, ルクセンブルグ:6.19%, 低・中所得国(L&MICs):6.16%, コソボ:6.12%, アフリカ南東部:6.07%, インドネシア:6.01%, エストニア:6%, 中所得国(MICs):5.96%, セルビア:5.92%, 南アジア:5.74%, マレーシア:5.72%, 開発途上国(LDC):5.63%, サントメ・プリンシペ:5.35%, 中央ヨーロッパおよびバルト諸国:5.22%, ルーマニア:5.22%, メキシコ:5.17%, ポーランド:5.06%, Other small states:5.04%, ボスニア・ヘルツェゴビナ:4.87%, エジプト:4.85%, ニューカレドニア:4.83%, ニュージーランド:4.81%, ミャンマー:4.81%, 低中所得国(LMICs):4.76%, ヨーロッパと中央アジア:4.73%, モンテネグロ:4.73%, ブータン:4.71%, ツバル:4.69%, 世界:4.62%, 中国:4.56%, 北米:4.5%, アメリカ:4.5%, チュニジア:4.46%, ケニア:4.34%, バングラデシュ:4.13%, ボリビア:3.97%, ベリーズ:3.96%, ラテンアメリカとカリブ海:3.92%, バルバドス:3.88%, ホンジュラス:3.81%, キュラソー:3.76%, ラオス:3.72%, タークス・カイコス諸島:3.7%, ニカラグア:3.56%, アルバニア:3.46%, アンティグアバーブーダ:3.41%, カリブ海の小国:3.41%, マリ:3.36%, カメルーン:3.36%, チェコ:3.33%, 北マリアナ諸島:3.32%, Small states:3.28%, 中央アフリカ共和国:3.28%, モロッコ:3.25%, モーリシャス:3.16%, ニジェール:3.12%, ドイツ:3.06%, ドミニカ国:3.03%, グアム:2.94%, キプロス:2.88%, スウェーデン:2.87%, ベルギー:2.83%, OECD加盟国:2.82%, オーストラリア:2.81%, グレナダ:2.8%, 高所得国(HICs):2.79%, ベトナム:2.78%, デンマーク:2.77%, EU:2.77%, ルワンダ:2.73%, プエルトリコ:2.7%, グアテマラ:2.7%, タンザニア:2.68%, コートジボワール:2.67%, 東アジアと太平洋地域:2.64%, モザンビーク:2.64%, チャンネル諸島:2.63%, ケイマン諸島:2.62%, スロベニア:2.61%, エクアドル:2.58%, アンドラ:2.56%, ウガンダ:2.55%, トーゴ:2.52%, 韓国:2.5%, オランダ:2.42%, ユーロ圏:2.39%, スロバキア:2.39%, スペイン:2.31%, ミクロネシア:2.29%, フィリピン:2.29%, アルバ:2.22%, フェロー諸島:2.22%, フィンランド:2.17%, イスラエル:2.13%, クロアチア:2.04%, 北マケドニア:2.03%, コスタリカ:1.98%, ナミビア:1.98%, オーストリア:1.95%, パナマ:1.94%, マルタ:1.86%, モルディブ:1.74%, タイ:1.71%, セネガル:1.63%, ベナン:1.62%, ナウル:1.54%, ポルトガル:1.51%, フランス:1.34%, モナコ:1.34%, ギリシャ:1.3%, カンボジア:1.3%, ヨルダン:1.28%, ジブチ:1.16%, 太平洋諸島の小国:1.16%, ソロモン諸島:1.16%, スイス:1.06%, バハマ:1.02%, アメリカ領サモア:0.906%, バヌアツ:0.7%, 香港:0.684%, アイルランド:0.658%, イタリア:0.597%, アフガニスタン:0.478%, バミューダ:0.458%, カーボベルデ:0.41%, コモロ:0.0596%, イギリス:0.0166%, フランス領ポリネシア:-0.196%, マン島:-0.207%, 日本:-0.228%, パラオ:-0.236%, セントビンセント・グレナディーン:-0.393%, サモア:-0.404%, グリーンランド:-0.417%, マカオ:-0.59%, セントルシア:-0.599%, エスワティニ:-0.787%, ブルキナファソ:-0.817%, レソト:-0.913%, セーシェル:-0.928%, セントクリストファー・ネイビス:-1.82%, トンガ:-1.95%, フィジー:-3.45%, リヒテンシュタイン:-9.91%
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