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イーサリアムの歴史
イーサリアムの特徴として、誰でも永続的かつ変更不可能な分散型アプリケーション(DApps)を構築できる点が挙げられます。分散型金融(DeFi)アプリケーションでは、証券会社や銀行などの金融仲介機関を介さずに金融取引を行うことが可能で、仮想通貨を担保にした借入や利息を得るための貸付ができます。また、イーサリアムは、NFT(非代替性トークン)の作成および交換を可能にし、画像などのデジタル資産と結びつけることができます。さらに、多くの仮想通貨プロジェクトがイーサリアムのERC-20トークン規格を採用し、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)に活用してきました。
2022年9月15日には、イーサリアムはコンセンサスメカニズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと移行する「The Merge」と呼ばれるアップグレードを実施し、ブロックチェーンのエネルギー消費を99%削減しました。
イーサリアムの概念は、ブテリンが2013年末に発表したホワイトペーパーで初めて示されました。この文書では、分散型アプリケーションを構築する方法が説明されており、ブテリンはビットコインの開発者に対し、ブロックチェーン技術は通貨以外の用途にも利用可能であり、より強力なプログラム言語を備えるべきであると主張しました。彼は、実世界の資産(株式や不動産など)をブロックチェーン上に記録する可能性も指摘しました。
2013年には、ブテリンはeToroのCEOであるヨニ・アシアとともに「Colored Coins」プロジェクトに取り組み、ブロックチェーン技術の追加活用法について議論しました。しかし、プロジェクトの方向性について合意に至らなかったため、新たなプラットフォームを提案し、より強力なスクリプト言語(チューリング完全なプログラミング言語)を備えたイーサリアムを開発することになりました。
代表的な価格
イーサリアム(Ethereum)は、2015年7月30日に正式に稼働した分散型ブロックチェーンプラットフォームであり、そのネイティブトークンであるイーサ(ETH)は、ビットコインに次ぐ時価総額を誇ります。価格は市場環境や技術革新に伴い大きく変動してきました。2016年6月、イーサリアム上の「The DAO」がハッキングされ、ETH価格は約20ドルから13ドル程度に急落しました。この事件を受け、イーサリアムはハードフォークを実施し、現在のETHとイーサリアムクラシック(ETC)に分岐しました。
2017年にはICOブームが起こり、ETH価格は1月の約8ドルから12月には約700ドル、2018年1月には史上最高値となる約1,400ドルに達しました。しかし、その後市場の調整により価格は下落しました。2021年にはDeFiとNFTの普及により、ETH価格は11月に約4,800ドルの最高値を記録しました。その後、2022年9月にはエネルギー消費を99%削減する「The Merge」を実施しましたが、市場全体の低迷により価格は約1,600ドルに下落しました。2023年以降、暗号資産市場の回復とともにETH価格も上昇傾向にあります。今後も技術革新や市場動向により価格は変化していくと考えられます。
2015年7月30日:イーサリアムのローンチ
イーサリアムは2015年7月30日に正式に稼働を開始しました。当初、ETHの価格は約0.31ドルで取引が始まりました。この時期は、プラットフォームの可能性に対する期待が高まりつつも、市場での認知度はまだ低い状態でした。
2016年6月:The DAO事件
2016年6月、イーサリアム上で構築された分散型自律組織「The DAO」がハッキング被害を受け、約3.6百万ETHが盗まれる事件が発生しました。この出来事により、ETHの価格は20ドル近辺から13ドル程度まで急落しました。この事件を受けて、イーサリアムはハードフォークを実施し、現在のイーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)に分岐しました。
2017年~2018年初頭:ICOブームと価格高騰
2017年はイニシャル・コイン・オファリング(ICO)のブームが起こり、多くのプロジェクトがイーサリアム上でトークンを発行しました。この需要増加により、ETHの価格は2017年1月の約8ドルから、同年12月には約700ドル、2018年1月には史上最高値となる約1,400ドルに達しました。しかし、その後ICO規制の強化や市場の調整により、価格は下落傾向となりました。
2020年~2021年:DeFiとNFTの台頭
2020年から2021年にかけて、分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)の普及が進み、イーサリアムの需要が再び高まりました。特に2021年11月には、ETHの価格が約4,800ドルと過去最高値を更新しました。この背景には、DeFiプラットフォームやNFTマーケットプレイスの多くがイーサリアム上で稼働していたことが挙げられます。
2022年9月15日:The Merge(マージ)とエネルギー効率の向上
2022年9月15日、イーサリアムはコンセンサスメカニズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行する「The Merge(マージ)」を完了しました。このアップグレードにより、ブロックチェーンのエネルギー消費が約99%削減されました。マージ直後の価格は約1,600ドルでしたが、市場全体の影響もあり、その後価格は変動を続けています。
2023年以降:市場の回復と新たな展開
2023年以降、暗号資産市場は徐々に回復基調を見せ、ETHの価格も上昇傾向となりました。特に、イーサリアム上での新たなプロジェクトやアップデート、そして世界的な金融情勢の変化が価格に影響を与えています。具体的な価格は市場の動向によって変動しますが、イーサリアムは引き続き主要なブロックチェーンプラットフォームとして注目を集めています。
以上のように、イーサリアムの価格は技術的なアップグレード、セキュリティ事件、そして市場の需要と供給など、さまざまな要因によって大きく変動してきました。今後も新たな技術革新や市場動向により、その価値は変化していくと考えられます。
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